骨粗鬆症について

骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減ることで骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気です。
日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

症状

骨粗鬆症になっても痛みが出ないことが多く、気付いた時には病状がかなり進行していたということも少なくありません。
「背中が丸くなる」「身長が縮む」などの症状が徐々に起こるため、「病気」と気付かないことが多いのも特徴です。



症状が進行することで、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
骨折が生じやすい部位は、せぼね、手首の骨、太ももの付け根の骨などです。

原因

骨量(骨密度)は男女とも幼少期から増え続け、18歳ごろでピークに達します。
その後40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持しますが、50歳前後から低下していきます。

主な原因としては
・加齢
・閉経
・過度なダイエット
・喫煙
・糖尿病
・運動不足
・過度の飲酒
・慢性腎臓病 など

骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。

診断

診断はX線(レントゲン)検査でも可能です。
骨の量や成分(骨密度)を測定するためには、DXA(デキサ)法、超音波法、MD法、CT法といった詳しい検査があります。

予防と治療

骨粗鬆症は予防が大切な病気です。
予防のためには、カルシウムの摂取とビタミンDを合成するための日光浴、
ウォーキングや筋力トレーニングなどの骨に刺激が加わる運動が推奨されています。

治療

骨量(骨密度)の減少具合によりますが、治療法の中心は内服薬や注射(カルシトニン製剤)など
主に薬物治療で、食事療法と運動を並行して行っていきます。

既に骨折している場合は、骨折箇所をギプスで固定、必要であれば手術で治療しながら薬物治療を行います。

気になる症状がある方、
また閉経後の女性には、定期的な検診をお勧めします。